科学者たちの悩みが解消されれば人類の進歩は加速するのだと知った日。

科学者たちのネットワークをつなげることで、次世代につながるブレイクスルーを創り出そうという試みがある。。ってどういうこと??

 

科学者さんたちの悩ましい問題(ざっくり言うと)

 

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 「面白いアイデアが浮かんでも、助成金をもらうには書類をたくさん書かなきゃいけないし、こんなトンデモ研究にお金出してくれなーい(泣)」

というわけで面白いアイデアは脇に置いといて、助成金が下りやすい研究をするしかないわけです。この捨て置かれた物の中には凄いアイデアもあって、たとえばタッチスクリーンのアイデアは30年(!)もスイスのCERNのどこかで埃をかぶっていたらしい。

そんな状況を憂いた二人の男

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グアーナ社(Guaana)のCEOラシヴァーさん、CTOアロノフさん、猫のマチルドさん

 

お二人が立ち上げたグアーナは、研究者が互いにネットワークでつながって一緒に研究をする場なんだそうです。研究のために必要なツール、アドバイザーからのサポートも受けられる。。

科学者が研究以外のことで煩わされることなく、ただ研究に突き進むことができるプラットフォームをつくったんですね。ここでのネットワークが科学の躍進を生みだすことを願って。

以下はアソシエユニックによる記事の全訳です。元記事(英語)はこちら

 

 

グアーナ(Guaana): オープンソースインフォメーションの時代へようこそ

 

要約

科学における躍進がもたらす次世代のためのクラウドソーシングに取り組んでいる人たち。

 

サイエンスには問題がある。

正直なところ、科学者になるのは簡単ではない。科学を否定する人やらセンセーショナルな科学ニュースやら資金調達の難しさなど…それらは時に、あらゆる可能性のあるチャンスに際し、むしろ科学の力を奪うかのように見える。幸いにも、この厄介な傾向に立ち向かうべく働く人たちがいる。グアーナはそのひとつだ。

 

結局のところ、サイエンスとは知識と情報の共有がすべてだ。その道のエキスパートが最新情報へアクセスする術を持たない場合、ブレークスルー(躍進)は起き得ない。それなのに、ペイウォールや企業の資金調達、またその他もろもろの壁が現れ、科学者が意見を交わしたり、必要な情報にアクセスするのを妨げている。

 

これをどう解決すればいいのだろう?科学技術の躍進がもたらす次世代の加速のために、我々の知識をより良い方法で共有するにはどうすればいいのだろう?これは、グアーナを今ある形にすることとなった根本的なテーマであり、それこそが彼らが科学分野におけるオープンソースインフォメーションとコラボレーションの新時代を作り出そうとするきっかけになったテーマである。

 

ネットワーク作りの新しい方法

 

要するに、グアーナは科学者や研究者が集まり、志を同じくする人々とつながり、互いのアイデアを構築するためのプラットフォームだ。それはつながりを作り、コラボレーションを形成し、科学を実現させるためのプラットフォームである。彼らがそれまでつなげたことがなかった(またはできなかった)方法でドットをつなげようという試みのことだ。

 

グアーナのCEO兼共同創立者マルコ・ラシヴァーは、これは研究を投稿するだけの場所以上のものだと明言している。つまり、共通の目的に向かって共に働く科学者のコミュニティだ。「我々は知識のデジタルアーカイブを構築する気はありませんでした。ここは人々が意見を交わし、知識を共有する賑やかなサロンのようなもので、むしろ本当の意味で共に働く場所なんです。」

 

科学知識の生成とは究極的にこういうことなのだとラシヴァーは言う。「今日発表されている研究論文のほとんどは、助成金を受ける為に正しくあるように書かれています。実践的で重要な科学についての話の替わりに。この慣習は科学者達をその仲間やグループから遠ざけてしまった…我々は科学者達が情熱を感じ、本当に重要な事柄をプロジェクトにすることを可能にし、この問題を解決しようとしています。

 

では、たとえばRisearchgateのようなウェブフォーラムや他のプラットフォームとはどう違うのか?

 

ラシヴァーは、科学研究の発展(おそらく)のために置かれている伝染フォーム(plague forms)についていくつかの問題を指摘している。彼によると、「他のプラットフォームには研究論文を乱用したり、悲しいことに、会員ベース増大目的のドライバーとして科学者達を利用している多くの例がみられます。これは個の尊重の問題であるとグアーナは強く主張しています。」

 

「我々は自らの見栄えをよくするために地球上でもっとも賢い人達を利用したりしません。ここで彼らはより良く、より速く、自ら興味のあるフィールドで個々に対するフルサポートを受けながら働く権利を与えられています。」ラシヴァーはさらに、ほとんどのソーシャルネットワークはオーサリングされたコンテンツや過去の研究論文の周りをぐるぐる回っていると指摘している。「科学は15年前に何があったのか探るものではありません。いま何が起きているのか探るものであるべきです。大胆なアイデアを出し、議論し、それらを実現するチャンスを見つけることにあるのです。」

 

グアーナはプラットフォームに初参加する科学者の手助けも行っている。「これはプラットフォーム上のただのツールや機能ではありません。我々はこれまでに約20件のリサーチキャンペーンを公開しましたが、あと68件が控えています。これは我々が明確かつクオリティの高いプロジェクト提案者を確保して動いているからできるのです。我々の個人的ネットワークで得た関係者に、プロジェクトが始まる前であってもイントロダクションを作って見せています。

 要するに、あなたがプロジェクトを投稿しにグアナに来れば、あなたは独りでそれに取り組むのではなく、我々のチーム全体があなたと共に働くのです。」とラシヴァーは言う。加えて、グアーナのこの「吟味プロセス」の一つが可能にする究極的な機能は、アイデンティティや情報の確認、そして作業の健全性の保証なのである。

 

科学者達にとって互いにつながることがいかに困難であったか、そして有用性の高い研究が日の目を見るのにどれほど長い時間がかかるのかをよく理解した上でグアーナは始動したのだとラシヴァーは断言する。「科学的なコラボレーションを行うのはいま本当に難しいことなんです。必要な仲間を見つけるまでにいくつもの決定を要します。すべてに多くの時間がかかり、それは科学者たちが研究のために真に集中するべき時間なのです。そして我々にとっても、科学を加速する方法を見つけることが重要です。そうして生じたブレークスルーは、後々にではなく、すぐに実世界の問題を解決するために応用することができます。」

 

確かに、研究というものは多くの場合、誰かがようやくそれを取り上げ、「ブレークスルー」となるつながりになるまでは、数十年インターネットの暗い片隅に放置されている。「世界中の研究所にただ放置されている研究材料を想像できますか?そこにはたくさん情報が詰まっているけれど、人々はその話をしないのでそれをどうすればいいかわからない。話をしようにも、誰に話せばいいのかわからない。」ラシヴァーは言う。「タッチスクリーン技術はみんなのポケットに収まるまで、30年間CERNの研究室に放置されていたんです。」

 

そしてこれがまさにグアーナが手を差し伸べようとしていること。

 とりわけ、チームが科学者達から受け取ったフィードバックはプロジェクトに続くきっかけの一つです。科学者達に尋ねてこれは必要だと言うツールを選び出し、その後彼らのプラットフォームに組み込むことに努力を集中したとラシヴァーは力説する。

  

「我々はCERN, NASA, 欧州宇宙機関のエキスパート、および世界中の多数の科学者個人とつながっています。このコンセプトへの支持を表明した数人のノーベル賞受賞者と連絡を取ることもできるようになりました。そして映画「ジュラシックパーク」の科学アドバイザーとして知られる私の子供時代のヒーロー、ジャック・ホーナーが言ったのです。『私には、考える方法よって人々がいくつか変化を作りだせるに違いないという率直な希望がある。』と。我々はスタートを切れると感じましたね。」

 

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 元記事